可視化のはじまり:私のカスタマーエンジニア時代

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約40年前、私の最初の仕事はカスタマーエンジニアでした。当時、カスタマーエンジニアという職業を知らない方がほとんどで、私がその職に就くことになった背景には、多くの苦労と発見がありました。

カスタマーエンジニアとは?

カスタマーエンジニアの仕事は簡単に言えば、コンピュータの修理屋さんです。今でこそパソコンは家庭やオフィスに必ずと言っていいほど存在し、誰もがその言葉に馴染みがありますが、40年前は状況が全く違いました。パソコンという言葉自体が一般的ではなく、コンピュータという言葉すら一部の人にしか通じなかった時代です。

当時のコンピュータは、非常に専門的で、ハードウェアとソフトウェアに関する知識が必要で、普通の人々にはその内容が難解で得体の知れないものに感じられていました。仕事をしている私自身も、専門用語や技術的な内容に圧倒されることがしばしばありました。

言葉では伝わらないことをどう説明するか

そのような環境で、私が最もよく感じていたのは「言葉だけでは相手に伝わらない」ということでした。お客様にコンピュータのトラブルを説明したり、修理内容を伝えたりする際、専門用語や技術的な概念が次々と出てきます。しかし、当時のお客様の多くは、その用語に詳しくない方がほとんどでした。

そんな中、私が取った方法は、言葉で説明するだけでなく、絵に描いて説明することでした。コンピュータの内部や配線の構造、修理が必要な部品の場所を、手書きで絵にしてお客様に示すと、ぐっと理解が進むのです。視覚的に情報を提供することで、お客様がイメージしやすくなり、技術的な内容を簡単に伝えることができるようになりました。

可視化の始まり

このように、私がカスタマーエンジニアとして仕事をしていた時に行っていた「絵に描く説明」が、実は可視化の始まりだったのです。当時はまだ「可視化」という言葉自体は一般的ではなく、そんな技法が「可視化」として使われているとは思いませんでした。しかし、言葉で伝えきれない情報を絵や図で補うという方法こそが、今では可視化と呼ばれるものの基盤となっていたのです。

可視化は、単にデータをグラフにしたり、マインドマップを作ったりすることだけではありません。目の前の情報を、視覚的にわかりやすく伝える手段として、私たちの日常や仕事に深く根ざしています。あの頃、コンピュータの仕組みや修理方法をお客様に説明するために使った絵が、私にとっての「可視化の第一歩」だったと今では感じています。

現代における可視化の重要性

現在、私たちの周りには大量の情報が溢れています。特にビジネスや教育の現場では、情報をいかにわかりやすく伝えるかが重要な課題となっています。そのため、可視化の技法はますます重要になっており、特に複雑な内容や専門的な内容を伝えるためには、言葉だけでは不十分なことが多いのです。

例えば、データ分析やマーケティングの分野でも、数値やグラフを使って可視化することが広く行われています。情報を視覚化することで、より直感的に理解でき、意思決定を素早く行うことが可能になります。また、教育現場でも、難解な概念を図やイラストで示すことで、学習がより効果的になります。

まとめ

私のカスタマーエンジニア時代に始めた「絵に描いて説明する」という方法が、今の可視化という考え方の原点だったことに気づきました。可視化は、単なる情報整理のツールではなく、相手に情報を正確に伝えるための強力な手段です。言葉だけでは伝わらないことを、視覚的に補完することで、理解が深まり、コミュニケーションがよりスムーズになります。

今では、私たちの生活や仕事の中で、可視化の重要性はますます増してきています。そして、あの頃の経験が今の私にとって非常に価値のあるものとなっていると感じています。可視化を活用して、もっと多くの人々が情報を理解し、問題解決に役立てることができれば、より効率的で効果的な世界が広がっていくことでしょう。

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