ヒューマンエラーを防ぐための可視化:カスタマーエンジニア時代の教訓

可視化との出会い

私がカスタマーエンジニアとして働いていた頃、コンピュータや周辺機器の修理を担当していました。仕事を進める中で、作業の正確性を保つためには、単に手順を頭で覚えるだけでは不十分であることを学びました。ある出来事をきっかけに、作業手順をしっかり書き出さないことで、ヒューマンエラーが起きたのです。この経験は、私にとって可視化の重要性を強く認識させるものとなりました。

ヒューマンエラーが起きた瞬間

ある日、クライアントから依頼された修理がありました。コンピュータのハードディスクの交換という内容で、私自身はその作業に慣れていたため、作業手順を頭の中で把握したつもりでした。そのため、細かな手順書を作成することなく作業を開始しました。

ところが、作業を進める中で、ある重要なステップを飛ばしてしまうことに気づきませんでした。ハードディスクの交換作業には、いくつかのステップがあり、その中にはデータバックアップを取るという重要な工程が含まれていました。しかし、作業手順をしっかりと確認せずに進めた結果、バックアップを取らずに作業を終えてしまったのです。

修理後にクライアントから「データが消えてしまった」との連絡を受け、初めて自分のミスに気づきました。その時の衝撃と反省の気持ちは今でも忘れません。

なぜヒューマンエラーが発生したのか?

このヒューマンエラーの原因は、明確でした。それは、作業手順を「頭の中で覚えているだけ」にしていたことです。過去の経験や習慣に頼りすぎ、手順をしっかりと書き出して確認するというプロセスを省略したことが、最終的なミスに繋がりました。

私がその時学んだのは、「頭だけで覚えることの限界」ということでした。コンピュータの修理作業は、細かな手順を厳密に守る必要があります。どんなに慣れていても、手順を一つ飛ばしたり、見落としたりするリスクが存在することを実感しました。

作業手順の可視化が必要だった

この経験を経て、私は作業手順を「可視化」することの重要性を強く認識しました。手順をただ頭で覚えるのではなく、書き出して視覚的に整理することで、ミスを防ぐというアプローチが、どれほど大切であるかを痛感しました。

具体的には、以下のような方法で手順を可視化することが有効だと考えました。

  • 手順書を作成する:重要な作業手順を事前に書き出し、常に確認できるようにしておくこと。紙やデジタルで記録し、作業中にも手元で確認できるようにします。
  • フローチャートやチェックリストの活用:手順をフローチャートやチェックリストにまとめることで、順序を視覚的に確認できるようにします。これにより、作業の途中で何かを忘れたり飛ばしたりするリスクを減らすことができます。
  • 可視化した手順の共有:複数人で作業を行う場合には、可視化した手順書をチームで共有し、確認し合うことが重要です。チーム全体で手順を守る意識が高まります。

可視化を活用してエラーを防ぐ方法

私はその後、作業手順を必ず書き出し、可視化することを習慣にしました。これにより、再び同じミスを繰り返さないようにし、作業の効率性と正確性を高めることができました。

例えば、ある日新たな修理作業を依頼された際、私はまずその作業の全手順を紙に書き出し、フローチャートとして整理しました。手順ごとに「確認済み」のチェックボックスを付け、作業を終えるたびに確認を行いました。その結果、作業ミスを防げただけでなく、作業を効率的に進めることができました。

まとめ

カスタマーエンジニアとしての経験から、作業手順をしっかりと可視化する重要性を学びました。ヒューマンエラーは誰にでも起こり得ますが、手順を可視化することで、そのリスクを大幅に減らすことができます。特に複雑な作業や複数のステップを必要とする作業においては、可視化した手順が確実性を高め、ミスを防ぐための強力なツールとなります。

この経験は、私にとって可視化の大切さを深く学び直すきっかけとなり、今後の仕事や日常生活でも、常に可視化を活用していこうという意識を持つようになりました。可視化を活用することで、より効率的でミスの少ない作業が実現できることを、私は確信しています。

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